沖縄県のちょうど真ん中あたりに位置する町コザ。古くから芸能文化が盛んなこの街にASOVIVAで販売している匠の情熱三線の制作を受け持ってくれている 職人がおります。 沖縄市はもちろん県内の実演家(舞踊地方、民謡歌手、古典教師、師範免許保持者)が毎日訪れ、 オーダーが絶えない匠が作る三線。 もちろん内地出身の私がインターネットで皆さんに匠の三線をご案内できるまでには様々な紆余曲折がございました。 1.ほろ苦く衝撃的な匠との出会い・・ 初めて匠の作業場を訪れたのは2005年の春の事です。私がインターネット通販で買った人工皮の三線を見て教室の先生は「やはり音がイマイチなのでコンクール受験前にそろそろ音鳴りの良い本皮三線に買い換えて は・・」と私におっしゃいました。 そこで先生に良い三線店がないかお尋ねしたところ、 「僕の友達で同じ野村流音協会の師範の方が作る三線が良いと思うよ。ただ知り合いや師範方の三線製作しか引き受けていないのでいきなりあんたがいっても相手にされないと思う。 僕がまずお話をするので後日お伺いしなさい」 との事でした。 そして指定された日に匠の所へ向かいました。細い住宅街の道をなんども通り抜けたどり着いた場所はどうみても普通の民家。三線店の看板はどこにも見当たり ません。 「こんな分かりにくい場所でしかも看板もない。大丈夫かなぁここ は・・」というのが正直な第一印象でした。 ドアをノックすると匠は「先生から話は聞いてるよ。まずは中を見てごらん」中を見てまず驚いたのが見たこともない三線の原木があたりにごろごろしていた 点。 部屋はお世辞にも綺麗とは言えず店というよりは作業場といった感じでした。 「まずは弾いてみて。かぎやで風、習ったでしょ先生から!」 いきなり三線を渡され動揺しつつも一通り弾き終わると、声楽がまだまだだなぁ・・といいつつ今度は匠がかぎやで風を弾きだしました。 それは教本通りの一点の狂いもない素晴らしい演奏でした。 「いい三線はある程度弾けるようになってはじめて良さが分かる。作り手 も弾けなきゃ実演家が求める三線は作れない」 その時電話が鳴り匠が受話器を取って話し出しました。 「先月のオーダー?やいま黒木の知念?出来てるよ。取りに来て」 と電話が終わるか終わらないかのタイミングでドアをノックする音。 ドアを開けると重たさそうな黒木の原木を持ったオジサンが 「先生。久場の骨で制作してください。棹は少し太めでお願いします」 なんなんだここは!!看板もない、見た目は普通の民家。なのにこの注文 の殺到。しかもみんな黒木でのオーダー。 困惑の色が隠せない僕に匠は 「黒木はまだアンタには早い。モクマオウで本皮つけるから1ヵ月後に取 りに来て」 と言われ、僕はただ分かりました・・というのが精一杯でした。 これが忘れもしない僕と匠との最初の出会いでした。 2.素晴らしい音に魅せられ、幾度となく足を運び話し合い 1ヵ月後、三線を受け取りに匠の所へ訪れると 「出来てるよ。弾いてごらん。納得行かなければ買わなくていいよ」 渡された三線は皮などはうろこが大きく良さそうな部分を使っていそうな感じがするものの見た目はどこにでもありそうな感じでした。 しかしかぎやで風を弾きながら感じた事。 これは先生が出す音と同じだ。芯があり、歯切れがいいのにシャープすぎ ず温かみがある音・・・ この瞬間から僕は匠が作る三線の虜となりました。 「民芸品みたいな輸入物の三線じゃなくきちんと昔からの手法で作る三線は音が違う。音の違いが分かる人にはこちらが説明しなくても喜んでもらえるよ。それ でも制作だけで食べていけるようになったのはここ2,3年の事。前は三線制作だけでは食べれず、本土に出稼ぎに行った時もあった。今はいい時代になった ね。」 その時の匠の嬉しそうな顔が印象的でした。 そして並大抵ではない三線作りに対する情熱を感じました。 そして、こんないい三線があるのなら僕みたいな県外出身の方にも是非知って頂きたい。 これをインターネットでオーダー三線として価値の分かる方にお届けしたい・・・ それからはなんども匠の所へ出向くと共に、自分も練習を重ねました。 当然ながら最初はかなり難色を匠は示しました。 「価値が分からない人に売ることは出来ない」 これがその頃の匠の口癖でした。 僕は何度も言いました。 「県外者の人の中にはものすごく勉強熱心な方もたくさんいらっしゃるん です。その方達にも匠の三線を是非お届けしたいんです。県外に出てしまえば輸入物や大量生産品の三線は簡単に買えてもこのような県産の三線を手に入れる事 はまだまだ難しいんです。どうかご理解、ご協力いただけませんか」 その年の8月に僕は野村流音楽協会の琉球古典芸能コンクールで新人賞を頂いたのですが、その直後に匠の所へ訪れた時でした。 匠の口から信じられない言葉が飛び出したのです。 「アンタ、新人賞とったんだってなぁ。売ってもいいよ。俺の三線。内地 の人に紹介してあげて」 嬉しくて泣きそうでした。何度も何度も匠にありがとうございますと頭を下げました。 その後話し合いで、これ以上仕事量は増やしたくないとの理由で名前・所在地は一切ホームページには記載しないという形で匠との商品提携合意に至りました。 そして今、みなさんにインターネットで御覧になっていただいている三線こそがまさに匠が毎日精魂込めて作っている三線にほかなりません。 匠の三線作りに対する深い情熱と多くの人に本物の三線の音色を奏でていただきたい想いから匠の情熱三線と命名させていただきました。 3.手軽さよりも届いた時の満足度を重視したい インターネットでは一応値段がついていますがあくまで目安であり、棹の型・原木の使用する箇所などにより値段も異なって参ります。 ものによっては制作期間を6ヶ月ほど頂く場合もございます。 大変申し訳ございませんがボタン一つで買える様な手軽さ、便利さはございません。 本来であればお店に来ていただいて納得するまでご自分の耳と、目と感触で確かめて頂きたいのが本音ではございますが、お電話・メー ルにて今お使いの三線のお気に入りの点、お困りの点、こうしたいというご要望を踏まえてオーダーをお伺いする事により細部にわたる点までご満足いただける商品をお届けする事が出来ると考えております。 貴重なお時間だとは思いますが少しだけ私達にお付き合い頂ければ嬉しく存じます。 <匠の情熱三線製造工程>はこちら <匠の情熱三線ご注文・お問い合わせ>はこちらから
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